特集 保健所再編成の動き
第Ⅲ部 現場の声
画餅は食えない
E生
1
1某県某保健所
pp.98
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204882
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K保健所保健婦の勤務の実態は,管内市町に国保保健婦がひと通り設置されているところから,国保事業への協力がかなりのウエイトを占めている。ここ5年の間に人口が急増し,特に保健所所在地のK市は4万から既に倍増し,増加率は日本一であるという。この増勢は当分続きそうな気配であるし,他の1市2町も首都圏の近郊住宅地としてますます人口はふえ続けて行くであろう。
その反映は日々の業務量に確実に投影してくる。国保事業の乳幼児健康相談は管内全市町で行なっているが,合併地区で今まで乳幼児の少なかったところでも,年々建売住宅等がふえてきたため,市の中心部と大差ないくらいの参加数をみるようになっている。数をこなすため,会場数は従来よりはふやさなければならぬし,保健所に要請される保健婦数も多くなってくる。このため一通り市内を一巡するまでは,保健所業務は最低限にせざるを得なくなり,計画次第ではかぜもひいていられないくらいキチキチした勤務の編成となる。こうした勤務実態の中では,その日その日の業務を大過なくこなして行くだけが精一ぱいで,たまさかの閑暇はホッと一息入れて,次の激務に備える余録としか考えられない。
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