スポット
患者は再発に対して成長するのか
小坂 英世
1
1小坂診療所精神科
pp.54
発行日 1970年8月10日
Published Date 1970/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204741
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これまでの精神医学の教えるところでは,精神分裂病患者というものは,宿命的に再発をくり返し,それだけでなく,再発するたびに崩壊の度を深め,精神荒廃の末路へとおちこんで行く存在だとのことである。果たしてそうであろうか。
群馬大学の生活臨床グループや私のいう再発理論を理解したとしても,単に再発のカラクリを推理したり,再発を回避させたり……の段階にとどまっていては,再発が超自然的なものではないと判りながらも,これまでの精神医学の教えることもうなずけないではないという,妙な立場に立つことになってしまう。
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