特集 病院の選び方
内科系疾患の病院の選び方
浅井 一太郎
1
1虎の門分院
pp.10-13
発行日 1970年7月10日
Published Date 1970/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204711
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1.はじめに
病気に罹ったときに,その病気の診療を病院に依頼するのは,診療内容が複雑で,多くの人手と,高度の医療設備を必要とする場合に限ることは当然であるが,現在は必ずしもそのようになっていないために,病院の側から見ると,必ずしも病院医療を必要としない患者のために多くの人手と設備を食われて,本当に必要な人々に対する医療を思う存分に行なえない状態になっている。その原因の1つは,世の中の一般の人達が病院とは何かということを充分に認識していないために,何でも病院に持ちこめば間違いないと考えているところにあるのではないかと思われる。今の医療法では,病院とは20床以上のベッド数があって,医師の数が入院患者10人に1人,外来患者25人に1人,その他多少の条件はつけてあるにしても,簡単なもので医療内容についてはほとんど何等の制約もない,しかし,私がここで病院というのはそのような簡単なものではなく,近代医学を自由に駆使出来るだけの内容を盛った医療施設でしかも患者を収容出来るものを指すのであって,医療法の規定する病院のすべてがその条件に合致するとは到底考えられない。
そこで話の初めに近代病院の具備すべき内容についての認識を1つにしておかなければならないわけである。
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