特集 保健婦活動め独自性めざし
町村に根をおろす宮城県の保健婦
石巻保健所管内市町村の活動—雄勝町における母子衛生事業
山下 惠子
pp.46-50
発行日 1970年3月10日
Published Date 1970/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204628
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1.本町の概況
宮城県雄勝町は東北本線の仙台駅より支線で1時間ばかり来て石巻の駅に降りそこからバスで約2時間,海岸線沿いに奥地へすすんだ小半島である。県の東北端,リアス式海岸線の一部で風光明媚な漁業中心の町で全町面積48.2km2,人口11,000という小さな町である。
この町の保健婦業務は,私が保健婦として赴任した昭和39年4月より出発した。それ以前は保健婦不在の町で処理し切れない患者を少ない検診の機会や保健所保健婦の訪問活動等により何とか最悪の状態になるのをくいとめていたということである。海岸線沿いに部落がありそれが2kmも散在した状態で部落と部落は大てい山で分けられた形になっており,人口11,000といっても密集地とはちがって保健婦の効果的活動をはばんで居る。町役場は職員数も少なく小規模で財政も乏しく全町循環路の開通が未完成のところであるが,私が保健婦としてこの町にやって来た時バスも通らぬ部落が8部落もあったのに現在は1部落だけを残し全部落にバスが入るところまでこぎつけた。保健婦は赴任当時2名であったが3年後1人になり現在1人で活動を続けている。本町の特色を箇条的に述べると以下のようになる。
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