特集 復帰を前に
沖繩の結核対策の概況—沖繩療友会の事業と果たしている役割を背景に
山城 永盛
1
1財団法人沖繩療友会
pp.31-39
発行日 1969年10月10日
Published Date 1969/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204513
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はじめに
「沖繩療友会」という,その名称から受ける感じは,本土の日本患者同盟の一分会並みの性格のものしか浮かんでこないであろう。また,それが当然かもしれない。しかし沖繩を訪れ,沖繩の実感に触れ,そのおかれている特殊的地位の立場を理解し,「沖繩療友会」の組織,事業内容等をみると,かつて本土で考え感じていたような組織団体ではないということがすく理解できるという。
これまで数多くの結核専門医,厚生行政担当官,各機関,団体の方々が沖繩を訪れているが,「沖繩療友会」の性格,組織,内容をみて,"本土にない沖繩の地位の特殊的事情からくる,極めてユニークな機能と風格をそなえた団体である""政府と医師と患者と住民が,これだけ結合している組織,団体は本土には見あたらない"また,"沖繩の風土に育まれた,特殊な組織団体だ"と異口同音にいわれる。
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