今日の精神医療・16
沖繩の精神病院事情
岩佐 金次郎
1,2
1三越診療所
2前 井之頭病院
pp.84-87
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205332
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本土復帰の頃
昭和46年(1971年)5月15日午前0時をもって,沖縄は本土復帰したが,その時点(人口94万5111)で,在院患者についての諸資料を,鈴木は次のように報告している(精神衛生,8.1973;沖縄精神衛生協会).
‘10施設(政府立2,財団法人立1,個人立7)の全在院者数は,2113名で,住所不詳17名を含んでいるが,本土に住所があることが明らかな者は,1名もいない.男女比は100:57.3,平均年齢は男33歳,女36歳.15歳以下は2名で0.1%,15-19歳4.5%,65歳以上は73名で3.4%.入院年月不詳者を除いた1691名の1人平均在院日数は1194日で,5年以上の在院者は894名(52.87%)いる.1691名の在院者中約67%は昭和35年(1960年)以降の入院者である.診断の確定している2113名の疾患名は,いわゆる内因性1842名(87.17%),老年性疾患89名,中毒性74名,器質性32名,発育障害31名,神経症11名,精神病質7名,その他27名となっている.在院者の78%が20km以内に居住地を持っている.精神病床が所在する自治体(市町村)は38中,4市3村である’
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