読者のひろば
国民は今の健康保険では救われない
津月 克三
pp.279-280
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204016
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中央社会保険医療協議会(中医協:厚生大臣の諮問機関)と日本医師会,事業主側との協議会は,診療側の主張30%,中医協,支払側10%の値上げを主張してゆずらなかったため妥結に至らなかったと各新聞は報じている.場合によっては診療側は健康保険取扱いの総辞退を再び行なうのではないかといわれている.
過般,日本医師会が総辞退した際,多くの健保の患者は非常にこまり,毎日の各新聞紙に医師を非難した投書が多く寄せられたし,新聞社自体も医師会の無道を攻撃してやまなかった.わたしはこれらを読む毎に,政府当局を非難するならもっともだが,医師および医師会を攻撃することは見当ちがいも甚だしいものである,医師はむしろ被害者であると痛感した.
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