特別掲載 第23回公衆衛生学会シンポジウム
保健婦業務改善に関する諸問題 第23回公衆衛生学会開催・全容収録
保健婦業務の専門分化の問題
内田 靖子
1
1国立公衆衛生院
pp.138-143
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203848
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私は,保健婦業務の改善について,業務の専門分科の問題から,次の四つの点についてのべてみたいと思います。まず最初に専門分科が提唱されてきた背景,第2に保健指導の質と量から考察し,保健婦活動の基本的なタイプはどうあったらいいか,第3に,住民のニードに答えるためにどのように保健婦業務を専門分化したらよいか,第4にその専門分化を行なうに当たって考えなければならない本質的な問題点,です。
第1の背景は保健婦業務の専門分化が問題として取りあげられ論じられるようになったのは,大体昭和30年ごろと思われます。保健婦関係の雑誌等により,保健所の運営と保健婦の役割,市町村保健婦と保健所の運営,保健婦業務とはなんぞや,などのテーマによる座談会等で,断片的にこの問題が触れられるようになってきた。また34年第13回公衆衛生学会の報告として紹介され,同年の公衆衛生院所長コースのセミナーでも討議されたと報告されている。同じ年の保健婦関係の雑誌で,専門保健婦制はできるかというテーマで,数人のかたにより論じられています。その中で,ある保健所の例として,保健所保健婦は原則的に家庭訪問は行なわず,各市町村の保健婦活動の連絡調整,及び管理的なヘルスオフィサーのような,たとえば結核管理に関しての世話やきをする保健婦,あるいは学校の養護教員との連絡をするための保健婦,あるいは衛生教育関係を主として行なう保健婦を設置して試みている,という例が出されている。
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