書評
—水野 肇—人間改造の医学 医学の最前線からのレポート
N
pp.68
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203571
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わかりやすい語り口で医療の歴史から展望まで
医療の大衆化ということが叫ばれだしてから久しい.マスコミを通じて形をかえ,品をかえて医療記事は書かれ,キャンペーンも試みられてきた.中には大きな反響をよびおこしたものもあった.しかし,医療は依然としてわれわれ庶民にはなじみにくいものである,本誌1月号のてい談の中で,医学用語の難解さと,それをかみくだいて庶民のことばで語るメディカルジャーナリズムの不在が,医療の大衆化を阻む大きな原因だとされていたが,たしかにその一面は見逃がせない.
と同時に,現在の医学界のあり方,医療制度の複雑さ,人間の生命を尊重する気風の薄いわが国の国民性などからまって,半面をなしていることも見逃がせないであろう.
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