特集 ジャーナリズムと保健
新春座談会
医事評論の倫理をどこに求めるか
石垣 純二
,
長谷川 泉
,
大渡 順二
,
水野 肇
pp.12-24
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203534
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
犬死をした池田前首相
長谷川(司会) まず具体的なケースの分析を通して問題を掘りさげていきたいと思います.池田前首相の問題をいつたいどういうふうに受けとるか.そして医事評論なるものがどういうふうにそれをとり上げたかそこに反省すべき点がないか.どうでしょう.
石垣 池田さんのケースについていい分がありますね.だいたい池田さんが助からなかつたというのは手おくれガンだつたからでしょう.手おくれガンはなぜだつたかというと結局声がかれるということが主たる自覚症状なのに,あの人の場合は初めからかれてガン的な声を出していた人が,さらにいっそうひどくなったわけで,美空ひばりならすぐ見つかったでしょう.そういう意味で手おくれになるべくしてなったのかもしれない,第1まわりにほんとうにいい医者がいなかったんじゃないですかね.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.