特集 慢性疾患患者と保健婦
新らしい看護体制・P. P. C.の考え方と実際—よりよい保健指導をするために
小林 富美栄
1
1東京女子医大付属高等看護学院
pp.17-20
発行日 1965年9月10日
Published Date 1965/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203458
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最良の看護サービスをするには
病院における看護管理の目的は,ユニットにおいても,病院全体の看護部門としても“可能な限り最高の看護を一人一人の患者にサービスすること”である.ここで可能な限りということは,その状況下において最善の努力をもって行なうという意味である.どのような看護サービスができるかは,病院のもついろいろな条件によってひじょうに異なる.しかし,保険医療が国家の施策となっているわが国では,これだけの看護サービスはとうぜん行なうべきであるという看護サービスの内容の最低線が,「基準看護」という名目でわくづけられている.この最低基準を維持するために,医療施設はきゅうきゅうとしているというのが当面している実態である.そして,最低基準の看護サービスをすることすらも,看護婦などの不足のために困難であるという訴えは,年々深刻さを加えてきているというのが一般的な見方であろう.これらについて実証的ないろいろの調査も行なわれているが,それらの結果から,具体的な対策を導き出すことは困難なようである.
看護婦などの数的な不足は,少数の国を除いて世界中の国々の共通的な現象である.これはいろいろなレベルに工業化が進んでいる国々で,専門家,および補助専門家が不足している現実とも相通ずるものであり,Man Powerの開発として重要な問題を提起しているところである.
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