特集 くすりのはなし
薬にならない薬のはなし
宮木 高明
1
1千葉大学腐敗研究所
pp.24-26
発行日 1965年5月10日
Published Date 1965/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203388
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
使い方できまる効用
薬というものはともかく,病気をなおすために必要な存在である.医師が処方する薬から,人びとが用いる民間薬,たとえばクコのようなものにわたって,実にいろいろな薬がある.現代は合成化学の進歩で,むかしのような薬用植物などを用いるだけではなくなり,ずいぶん作用の強い薬ができている.
それぞれが病気に対して大なり小なり役に立っているのであるが,薬だけで病気がなおる,という考えかたを満足させるほど理想的なところまで達したとはいえない.むしろ薬がきかないことが少なくない.また,薬を使ったために,思いがけない害を受けることさえある.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.