新しく保健婦になられる方へ
人間関係にまず重点を—事業所から
柴田 初江
1
1ライオン歯磨小田原工場
pp.16-17,21
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203367
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初志貫徹して就職したが
ご卒業おめでとうございます,光陰矢のごとし,学院の門を出たのがつい先日であったかのように,耳新しく,なんとなつかしく響くことでしょう.私たちの後には,もうみなさんのようなりっぱな方々が大勢誕生されるのかと思うと,心強さとともに,私の足跡には,なにが残っているのだろうかと,複雑な気持ちでいつぱいです.なにもわからず,社会人1年生として学生とは異なる責任を持ちつつ,現在に至る自分自身をみつめるとともに反省し,なにを目的として,なにを実行し,なにを学び得,さらになにを失いつつあるか,客観的に見,ふり返ってみたいと思います.この記録が,これから希望に胸がはちきれんばかりの皆さんに,よい意味での参考になれば幸いだと思います.
さて多くの就職範囲の中で,最初から最後まで,事業所を希望し,つらぬき通して決定した現在の位置,一国一城の主のように狭いながらも自分の部屋を与えられ,立案から実行,さらに事後管理に至るまで,ひと口で言えば,健康管理面全般を常時担当する者として,いっさいの責任をになう現在,事業所内における私たち保健婦の業務はいかなるものでしょうか.なにをなそうとしているのでしょうか.なにをしてきたのでしょうか…….しかし,そんなことを考えさせてくれるいとまもない日常の雑事,私はなんの目的のために4年間も年月を費やしてきたのでしょうか.
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