ある活動
ビルの谷間の生活
青木 昌子
1
1東京都麹町保健所
pp.58-61
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203255
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ビル街を受けもって
まずこのビル街を受けもってから現在に至るまでのことを,いろいろと振りかえってみましょう.私の以前の受持地区は商店街,住宅地,漁師町,といったような,比較的なじみやすい地区であったのですが,このビル街を受けもってみると,なんとなく以前のようになじみやすくないばかりか,あの巨大な建物の威圧感を強く感じ,これから先きどんな活動をしたらよいものかといろいろ考えさせられました.しかし,いずれにせよ地区の実状を把握しないことには,なにから仕事を始めてよいのかわからないと思い,以前の地区での経験を活用し,結核患者,妊産婦,乳児,伝染病などの届出に対し,訪問指導の実施だけをしておりましたが,なにしろ夜間人口に比べて昼間人口がはなはだしく多いこの地区にあって,はたして届出だけを待っていてよいものだろうかという不安と疑惑を持ちはじめました.
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