研究・報告
在宅脳卒中後遺症者のリハビリテーション—山梨県白州町における実態調査の経験から
大西 恵子
1
1東京大学医学部衛生看護学科臨床第一講座
pp.69-72
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203215
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はじめに
近年,予防・治療につづく第3の医学としてリハビリテーションが叫ばれているが,この分野における保健婦の役割はきわめて大きいと考えられる.特に脳卒中は絶対安静という観念から,在宅治療の場合が多いので,その初期リハビリテーションを指導する上で,正しい知識と技術が要求される.
周知のようにリハビリテーションとは患者を肉体的のみならず,精神的,社会的,職業的,ならびに経済的に可能なかぎり回復するようにすることであるから,できれば医師,ナース,理学療法士(Physical Therapist),作業療法士(Occupational Therapist),言語療法士(Speech Therapist)医療社会事業家(Social Worker)など,多くのスタッフによるチーム・アプローチが必要であるがこれは入院患者でしかも設備・スタッフがそろったところでなければ不可能なことである.在宅患者の場合は,これらのスタッフの役目をある程度わきまえて,患者のリハビリテーションを円滑に行なうべき保健婦の任務は,今後の研究課題とは言え,早急に実行されなければならない問題であろう.
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