特集 保健所保健婦
保健所保健婦のあり方
保健所の特性と保健婦業務—エネルギーの結集による未来像を
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.126-129
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202800
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1.まえがき
編集部から与えられたテーマは表記のとおりである.これは保健婦業務特集の3部作として,すでに特集された事業所,国保の保健婦に引きつづき,今回の保健所保健婦特集の一部をなすもので,前二者との対比において保健所という特性の中で保健婦はどうあればよいかという方向を明らかにすることがねらいのようである.しかし私は保健所の現行制度を大前提として,その枠の中で保健婦のあり方を考える,というのでは,数年来至るところで行なわれてきた「保健所保健婦と国保保健婦の関係」の論議につきているように思う.したがって社会的経済的に激しい変動期にある今日という時点においては,このような変貌する社会の要請に応えうる公衆衛生看護事業のあり方を探究しながら,その中における保健所という特性を活かした保健婦業務のあり方,位置づけを考えることが有意義であるように思う.もちろん,そうはいってもこれはなかなかの難問題であり,望ましい未来像を具体的に画き出すためには,今後多くの討議や調査の必要はいうまでもない.ここでは問題の提起という意味で考えてみたい.
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