色ページ ショートインタビュー
財団法人日本心身障害児協会療育園 碧川 清婦長に聞く
pp.51
発行日 1962年5月10日
Published Date 1962/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202575
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口絵の取材におとずれた日は,ぐつと暖かくなつた日だつた.往きの車中,一行はピクニックにきたような軽やかな気分さえ持っていた.しかしひとたび病室へ入つたとき,冷厳な現実に一同,寂として声もでなかつた.それほどにショックは大きく,気の毒な患児たちは,口絵に紹介するには余りにもいたいたしく悲惨である.心身障害が3重4重と重なつて,単一の障害はそれほどに重くなくても,全人間として考えるとき,医療・教育の両面に手のほどこしようがない,いわば生きる屍といえる子どもたちもいた.
"この子たちに光を"というテレビ番組で,画面を通して幾分かは,こうした患児を持つ家庭がどんなに暗い毎日を過ごしているか知ったつもりが,実際に接してさらに深いきびしいものと知った.
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