講座
ソ連の「年齢生理学」の課題と統計
北上 幸雄
pp.49-50
発行日 1961年12月10日
Published Date 1961/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202475
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世界史上最初の人間宇宙飛行に成功したソ連では「宇宙飛行は若さの源泉になるかも知れない」と考えられているという.科学アカデミー会員のボリス・コルソフスキー教授はそれについて「宇宙旅行は人間の生細胞を地球の重力から解放し,これによつて子細胞は地球上の機能の重荷から解放される.したがつて生細胞は宇宙飛行中には老化現象の急速な進行に脅かされることがなくなるであろう.人びとが病気を治すばかりでなく,若返つて地上に戻つてくるという宇宙サナトリュームの出現も不可能ではなくなるような時代がくるだろう」と先頃のソ連紙上で述べている.
ソ連では人間の生命を延ばし,若返らせる研究か.最近10年間に「年齢子理学」という新しい科学の領域として進められており,ウクライナのハリコフにある国立大学付属子理学研究所では,V. ニキーチン博士の指導のもとに,この問題の理論的・実験的研究を続けている.
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