編集者から読者へ
"分を知る"ということ
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1961年5月10日
Published Date 1961/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202321
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"分をわきまえろ"と言われる程,ぴしやりと頬を叩かれるような思いをすることはない.いわゆる出鼻をくじかれるというのか,出過ぎたことへの羞恥というのか,妙に辛いものである.ましてや,組織の中の上位の人に言われたとすれば,これはなかなかに決定的なことである.私のように,迂余曲折的なものいいのできない人間は,よくこんな思いをさせられることが多い.
だが"分を知る"とは,はたしてどんなことなのであろうか—とひらきなおつて考えて見れば,大変むずかしいことである.
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