ルポルタージュ
地区民には喜こばれている母子健康センター—平川町母子健康センターを訪れて
所沢 綾子
1
1編集部
pp.25-28
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201768
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母子センターの発足
母子センター設置についての提案が発表されたのは,32年の11月26日,池袋の豊島公会堂で開催された第1回母子衛生大会の折であつた.これを発表するに当つて,厚生省児童局母子衛生課は,内心助産婦の反対にあいはしないかという危惧を抱いていたものであつたが,満場一致の賛同を得て,予算会議に持ち込まれたもののようであつた.それから足かけ2年,現在全国53カ所の母子センターが設置され,今年の5月頃から活動をはじめており,また新たに発足を準備しているものが数十カ所あるようである.
母子センターが何故作られるに至つたか,これは今さらいうまでもないが,母子保健の問題が,国民保健の基礎とたる問題として近年各方面で重大視されて来た.けれど最近の日本の妊産婦死亡率,乳児死亡率はともに各国のそれに比して高いのである.その原因はいろいろな方面から検討されなければならないが,まず保健所の担当人口が多過ぎて保健指導のサービスがいき渡らないのではないかということが考えられ,それを補い,向上させるための母子衛生対策として母子センターは企画されたわけである.
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