読者からの手紙
「家庭看護」について思うこと
山田 幹子
pp.9
発行日 1960年12月10日
Published Date 1960/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202222
- 有料閲覧
- 文献概要
家庭にいる病人の看護については,常に重要なことだと思つていましたので,10月号はいろいろと共感を呼ぶものがありました.現在の保健婦さんの働らきをみていますと,なぜ保健婦さんに看護の基礎教育があれほど必要なのかと,考えさせられるようなことが多いのです.衛生教育だと云つては人を集めてしやべる,そんなことは,保健婦でなくてもうまくやれる人がいますでしよう.私はやはり1人1人の患者さんに熟練した看護をする仕事を,もつと保健婦さんにしてもらいたいと思います.家庭にいる病人がどんなに困つているか,どんなに家族が看護をしていないか,そのために病気の回復がおくれているかを,数字の上では知つていても,現実に実感としてそれが受けとめられないのかもしれません,保健所の保健婦さんは到底いそがしくて出来ないかもしれません.国保の保健婦さんは地区のニードということばかりに目を向けていないで,個人や家族のニードにも強い関心を示してほしいものです.そして病人看護をすることを心掛けてほしいと思います.しかし国保の保健婦さんも,大部分の人はそこまで手がまわりかねるいそがしさだということです.それでは誰がこのことをするのでしようか?
病人看護を専門にする保健婦の団体が,外国にはあるということを読みました.日本でもそういう団体は作れまいものでしようか.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.