発言あり
家庭看護
M
,
A
,
O
,
K
,
N
pp.69-71
発行日 1974年2月15日
Published Date 1974/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204797
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理論と実践の検討を!
保健婦と接するなかで絶えず疑問に思うことは,業務のなかで用いられる「用語」をどこまで理解し,どんな意味で使っているのか理解できないことである.この点に関して私の理解力に問題があるのかも知れないが私見を述べてみたい.即ち,住民主体の……,家庭看護,地域看護,地域……医療等,極めて確信を持って口にしている.しかし,その活動からはどうしても本質を把握できない.極端ないい方をすれば,消化不良を起こした観念として映るのみである.聞くところによると,今日の看護は,患者だけがその対象ではないとか,いわゆる予防のための看護が問題になり始めているなかで,今後保健婦は,看護をどのような位置づけにおいて実践活動をしようとしているのか.従来,看護は闘病生活をする患者の身のまわりに起こる変化に対応する極めて具体的な援助を医師の指示のもとに行なわれるものだとされていた.しかし,その場が病院,施設であったり,また家庭や地域であり,場が多様化していく.しかし,その場の解釈と場の実践とを彼女達は明確にしないままに混同している.そういったなかで保健婦は自からの実践から,直ちにその実践を解釈しようとする極めて独断的なところが多い,即ち,自からの実践と実践の解釈は必然的に異なることを認識しようとしないし,できないでいるところに大きな問題がある.
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