コンタクトレンズ(15)
餅は餅屋
長谷川 泉
pp.61
発行日 1960年7月10日
Published Date 1960/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202137
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「餅は餅屋」ということばがある.餅をつく場合に,しろうとがついても餅にはなるだろうが,練れぐあいや,餅特有のふつくらとした感触,色つやにいたるまで,やはり専門の餅屋の手にかけた方が,おいしい餅ができるだろう.打ち込んだ専門の知識と経験を貴ぶことの大切なことをいったことばである.
こんなことは,あたりまえのことであるが,そのあたりまえのことが,なかなかあたりまえのこととして世の中に通用しないことが多いから困るのである.餅を薬屋にもち込んだり,餅を機械工場に持ち込んだりということは,そうして見れば,いかにも滑稽な,まとをはずれたことに違いないのだが,案外に,そのようなまとはずれの,滑稽なことが横行することが多い.
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