現地報告
草深い農村に8年
永友 さわ子
1
1宮崎県児湯郡川角町役場
pp.70-72
発行日 1960年6月10日
Published Date 1960/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202118
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私達の町は宮崎県のほぼ中央にあり,大陸を思わせるような高原地帯です.北には若山牧水の歌で有名な尾鈴の山が聳え,名貫川を挾んで都農町と接し,南は小丸川に添つて高鍋町に面しています.西は木城村を境とし,町の中央を平田川が流れて日向灘に注いでいます.東方一帯は太平洋に面し県下有数の通浜漁港があり,東西12粁,南北10粁,全面積約90平方粁であります.その昔空の神兵として,活躍した陸軍落下傘部隊の降下演習場,また軍馬育成のための軍馬補充部等約3000町歩の軍用地が戦後解放されて,この地域は全国3大開拓地の1つに数えられる広大なものであります.これ等開拓者の入植により人口は一躍倍加して20,600人となり,3,700の戸数を持つ大きな町となりました.
私が勤めている町役場は,これ等のほぼ中心にあります.しかし町役場には,私の机があるだけで実際の勤務場所は前述の町内全域といつた方が良いでしよう.この他に保育園があり,5つの小学校と,2つの中学校,また高校1つがあつて,園児,児童生徒約5,700人が保健婦の指導対象となつています.
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.