書評
木崎国嘉著—「長生きと若返り」
pp.50-51
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202071
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「長生きと若返り」は,次の2つの点で非常に書きずらい題目であるはずである.その1つは,問題が問題だけに,これが記述には医学のほかにどうしても丈学的な哲学的な記述態度が要求されるということ.この点本書は,著者の豊かな教養に支えられて,霊薬探究史のエツセイの一面を備えていて読者を充分に満喫させる.
もう1つの難事は,急速な進歩のために,医学そのものが専門的に分化している現状に反し,はしがきにも触れられているように,「この問題に関する医学があまりにも広範でしかも限りなく深遠なことで,どこから書き出しても,最初のところでひつかかり,まるで先に進まない懸念があつて,限られた小冊子にまとめるのは,あたかも真理の果てしない大海の水を小さな容器に容れようとする試みに似て」いるということである.
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