編集者から読者へ
講習会とその費用について
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1959年7月10日
Published Date 1959/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201900
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「保健婦雑誌編集のヒントを1つ差し上げましよう」とある先生からお電話がありました.最近保健婦さんの講習会から,講演を頼まれて出席した折,最後の雑談の時に「私達はいろいろの講習会に出席し勉強したいのですが,なかなか費用や旅費を出してもらえないのです」という声が大分あつたということでした.「どうですか.こういう問題を取り上げてごらんになりましたら」と先生はおつしやるのです.
それから,保健婦さん達に機会ある度にこの再数育の問題を伺つて見ると,たしかにみんな同じ悩みを持つておられることを知りました.役場や保健所の他の職員に対する気がね等もあつて,なかなか出席できないということでした.講習会や再教育に出席することは,自分自身の勉強であると同時に,職場の仕事にプラスするものでありますから,当然所属している職場が費用や旅費を負担すべきものであるという考え方が,再教育に対する妥当な考え方であると思います.私がお話を伺つたS県の看護係長さんも,同じ考え方をしておられ,部下の人々になるべく教育を受けるチヤンスが与えられるよう努力をしておられるということでした.しかし講習会が多すぎるという理由で許可が下りない場合がしばしばあるようです.保健婦事業はまだ歴史も新しく,業務上新しい技術を取り入れていかなければならない事柄が沢山あります.その上時代によつて受けた教育のあり方や程度に大きな差があります.
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