連載 ヘルスコミュニケーションと健康な社会づくりを考える Dr.エビーナの激レア欧州体験より・1【新連載】
欧州のヘルスリテラシーの取り組み—テロの危険も顧みずオランダの王女が出席した国際学会からの学び
蝦名 玲子
1
1株式会社グローバルヘルスコミュニケーションズ
pp.712-715
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208973
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ヘルスコミュニケーションとは?
こんにちは.保健学博士でヘルスコミュニケーションスペシャリストの蝦名玲子(Dr.エビーナ)です.もともとは国公立の研究所の研究員だった私ですが,「官・民・学といった組織形態に関係なく,自由に,効果的に,元気な社会づくりに貢献したい」という思いから,2002年にヘルスコミュニケーションと健康社会学の研究と教育のための会社を立ち上げました.現在は,全国の企業や官公庁のコンサルティングをしたり,大学で教鞭をとったり,保健医療従事者の教育を行ったりするというかたちの,ちょっとユニークな働き方をしています.
私が専門としているヘルスコミュニケーションは,「人々に,健康上の関心事についての情報を提供し,重要な健康問題を公的な議題に取り上げ続けるための主要戦略のこと」と定義付けられています1).ヒトの認知プロセスや行動パターンを,科学的に根拠があることが証明されている心理学や行動科学,社会科学といった分野における「理論」を基にして理解し,そのうえで,アプローチ方法を検討,創造して,対象となる個人や集団とコミュニケーションをとり,その効果を評価する,という一連の流れを研究します.ヘルスコミュニケーションを駆使することで,健康のメッセージが強化され,健康の話題が取り上げられたり,さらなる情報が求められたり,健康的な生活習慣がもたらされたりしやすくなることが確認されています2).
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