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東京都立片浜養護学園を訪ねて
奥野 智恵子
pp.49-54
発行日 1958年7月10日
Published Date 1958/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201686
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<沿革>
東京から123キロ余,神奈川をすどおりして,駿河に入る.東海道を沼津で乗換え,富士山麓バスでゆられること,およそ10分.大諏訪から3分のところに,東京都立片浜養護学園がある.土埃のひどい旧国道を一折れすると,空気は澄んでおいしくなる.松の防風林をへだてた向うは,太平洋で,白い浜辺には,無心の波が寄せては返している.
創立は,昭和16年4月.東京市の養護学園として当地に設立された。大東亜戦争はいよいよ激しくなり,やがて,沼津の町が殆んど全滅すると,本来の目的は,閉鎖しなければならなかつた.そのかわり,疎開児童がやつて来た.しかし,沼津は,危険性が濃かつたので,食糧も数カ所に分散し,子供達は再疎開していつた.
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