読者からの手紙
村のお嫁さんになつて
細田 こう
1
1長野県上伊那郡南白村役場
pp.9
発行日 1958年1月10日
Published Date 1958/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201552
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去る3年前昭和31年1月保健婦として働く幕が開かれた.保健婦専門学院を出たての私は希望を胸一杯にふくらめていた.冬期間の衛生教育と共に村人と親しく笑みを交す事が出来又民生委員さんとはすつかり仲良くなりました.
民生委員さんの声から始まつて保健婦を是非村に引き止めて置こうと学院に居る中におむこさんを探して置いて呉れました.村長さんのおはし掛けで村へお嫁に来たのです.この村の土になるまで村人と共に喜びも悲しみも分ち合つて保健業務を尚一そう力強く根を下す事が出来たのです.役場職員の方も民生委員の方も村人もよく協力してくれます.30年は基礎調査で終つてしまいました.31年には家族計画研究会の下部組織が一つ誕生しそれに伴なつて健康相談室が誕生しました.庁舎から離れ立派に独立した建物です.外壁はグリーンによそおい赤い瓦の屋根で大変に美しい相談室です,私は本当に嬉しくて何んと喜びの言葉を申上げてよいかわかりません.共に喜んでくれましたのは村民です.村長さん始め国保,衛生,厚生共に保健婦活動を理解して下さるので仕事がやりよく,毎日を楽しく働いて居ります.本当に生がいのある仕事だと感謝しています.それだけに何んとかよい仕事をしたいと願うのです.ここまでどうやら進む事が出来ましたが,仕事はこれからです.保健婦業務は生活指導が根本でなければならないと思います,専門家の人達とよく手をつないでやつて行く事をモツトーにやつて行きたいと思います.
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