講座
更年期の保健指導
九嶋 勝司
1
1東北大学婦人科
pp.22-26
発行日 1956年9月10日
Published Date 1956/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201261
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(Ⅰ)更年期とは
更年期とは老化現象が始まつた頃を指すもので従来は45才前後とされて居たが,吾々の最近の調査では近年になつて幾分遅くなり,50才前後になつて来ている.人工流産の流行,即ち産児は極力制限しようと言う時代に生殖年令が延長してることは誠に皮肉である.
人体の臓器のうち最も早く老化現象を示すのは卵巣であると言われている.このため更年期には排卵作用が先ずなくなる.しかし性ホルモン殊に卵胞ホルモンは必ずしも減少するとは限らず,時には却て増加している場合もある.卵胞ホルモンが減少してるにしろ,増加してるにしろ,正常値から偏つた値を示すことは否まれず,この状態を卵胞ホルモンの失調状態にあると言う方が妥当なようである.
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