今月におくる言葉
勉強しましよう
pp.5
発行日 1955年4月10日
Published Date 1955/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200927
- 有料閲覧
- 文献概要
幼稚園から大学まで,毎年春ともなればその学校入学のための試験は,年毎に門がせばめられていつているのが此の頃の状態です.これらの多くの学校の中に混じつて,若い高校卒の女性のために開かれている專門学問の分野に看護婦学校があります.身体の組織又は機能に障害をおこして苦惱する人々を再び恢復に導びくための協力と指導をする医療関係者でありますから,深刻な医学や看護学を学び,これを実技の上に応用することの出来る丈の能力をもち合わせていなくてはならないことは言うまでもないことなのですが,病気になつているのは,石や木ではなくて,生きた人間ものを思い,ものを考え,生活する社会人なのですから,看る側の人も又,単に知識や技術をきりうりするのであつては困りますし,試験管や,フラスコをゆすぶるつもりになつては大変です.高校時代に,化学や生物を修得していることが專門学問にはいる予備知識として要求されているのと全く同じに,個人面接を行い,其の人の人間性を,人としての価値を評価されていることは当然なされなくてはならない重要事項です.欧州の或る国では,看護婦学校に入学する資格として,自分の国の言葉の他に,外国語を1〜2種類マスターしていなくてはならないというところがあつたり,自分の家以外にあつて社会生活を送ることを要望しているところがあるときいています.
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.