講座
結核化学剤の正しい使い方と誤つた使い方
植村 敏彦
1
1国立東京療養所医務課
pp.10-13
発行日 1954年11月10日
Published Date 1954/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200833
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化学療法の最近の傾向
我國でストレプトマイシンが用いられ初めた,昭和24年頃は,抵抗性の結核菌が出来ると,後になつて必要になつた時に困るという考えから,大體40グラム位用いて,病気の進行を喰止め,その後は,従来の治療法によつて,治癒の完成を計る,という方針でした.
事實,ストレプトマイシンを毎日1グラム宛40日間続けると,半數近くも抵抗性菌(耐性菌ともいう)を生じ,100日以上も続けると,70〜80%の耐性菌を生じたという報告もあつた位でした.
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