公衆衞生の動き

全国衛生部長会議を顧みて

　去る2月4日，5日の2日間，厚生省5階の講堂で恒例の全国衞生部長会議が開かれた．この会議ではさきに大藏省で内定し，現在国会で審議されている昭和29年度予算のうち衞生行政に関係のある点を説明し，更にこの予算に基いて，昭和29年度における衞生行政の方針を厚生省当局が表明したわけであるが，今年は全般的に緊縮財政の影響に極めて活気にとぼしかつたように思われる．

　開会劈頭行われた大臣訓示においても予算問題にからんでその職を辞した山形前大臣のあとを受けてたつた草葉新厚相は，勿論まだ厚生行政が充分に分つていない点もあるだろうが，何分陪食大臣の悲しさか，極めて信念にとぼしい所信をのべたに過ぎす，中山政務次官も所詮女の弱さというか（この雜誌を読まれる保健婦さんは，まさかそれほど弱くはないでしようが……）僅かに台所問題と環境衞生に大臣より先輩であることを披瀝したに止まつた．