職場報告
母の日に成果をあげる—婦人団体の保健指導協力について
粟田 みね子
1
1靜岡縣駿東郡須走村国民健康保險組合直營診療所
pp.46-49
発行日 1953年6月10日
Published Date 1953/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200534
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私が勤務致しております村は,靜岡県と山梨県の県境にあり,御殿場驛より約11.6km(2里半)富士吉田行のバスに乗つて約30分富士山麓を登つて海抜800mの所にあり,有名な須走登山口のある貧しい小山村であります。冬は天然氷スケートに,春ともなれば目ざめるばかりの新緑,小鳥の囀りをきき,夏は富士登山に絶好の季節を開き,秋は紅葉と四季を通じてまことに景色に惠まれたところであります。面積は4301平方km,人口592人,世帶数114戸,被保険者世帶數104戸,村内には須走村小中学校,駐在署,営林省分担区,郵便局等があり,電話は郵便局のみで交通機関は御殿場←→富士吉田間のバスが通つております。役場は高根村,須走村組合役場で,高根村にあり,約2里下つた所に位置し,昭和27年4月直営診療所が出来るまでは無医村の非常に医療施設に惠まれぬ僻地の寒村でありました。以上が大体村の概要です。(第1図及び第1表參照)
私が赴任したのが昭和24年で,当時は村内の生活環境が今まで私が見てきたところとあまりかけ離れて居り,又無医村及び無助産婦である爲に何もかにも行きづまつたような気がして非常に苦しみました。これからの保健指導を如何にしてやるべきか?……等といろいろ考え,婦人会及び青年団に入り込む計画を樹ててみましたが,当時は団体そのものの活躍もなく眠つてる状態ですので,それも不可能でした。
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