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新年を迎えんとして思う
植村 環
1,2
1日本YWCA
2國家公安
pp.5-8
発行日 1953年1月10日
Published Date 1953/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200428
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新年は新しい出立点である。新年だとて別に太陽の昇り方が今までと変るわけでもないし,人生に特別な区切りが出来る訳でもないが,人間というものは,新しいきつかけを出来るだけ度々こしらえて,進歩に資すべきである.その意味に於て,夜は去つて朝が来り,1日1日と新しい気分を釀し出してくれる事は何とありがたい事であろう.丁度,ノートの頁を繰つて1枚1枚と白い頁に筆を入れて行くにも似て居る.
新年を迎えると同時に,人は大概何か決心をする.今年は昨年よりも親切であろうとか,金を無駄遺いしまいとか,書物を読もうとか,手紙を沢山書こうとか,規則正しい生活をしようなどと,いろいろの覚悟をする,それが実行された年があれば,それは実に『我が最良の年』とでもいわねばならぬ.
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