新春に当たって
本誌発刊15週年の新年を迎えて
吉田 幸雄
1,2
1病院管理研究所
2本誌編集
pp.20
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202269
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早いものである。本誌が誕生してからこの6月で丸15年になる。発刊当時のことを思出すと今昔の感に堪えない。敗戦の混乱の中に芽生えた一粒の種に過ぎなかったが,今では大きな木に育ってきた。まだ窮乏生活に追われていたあの混沌とした時代に,病院問題のみをとり上げる雑誌の発刊を断行した。金原社長の慧眼と根性を忘れることができない。そして,当時の編集同人であった病院マニアと一緒に,時間を超越して「病院」の編集に情熱を傾けてくれた現長谷川泉編集長の姿も思いだされる。創造ということは苦労が多い。しかしその中にも夢がありそれが少しずつ実現していった楽しみもあった。そしてこの「病院」の健実な歩みをつづけ現在に至ったと思う。
病院管理研修所の出発も同様に24年の6月であった。実は「病院」は研修所発足に歩調を合わしたのである。研修所の発足はもちろん公のもので,占領軍総司令部のジョンソン大佐,塩田先生,葛西次郎,東医務局長をはじめ,日本の医療界の先達に祝福されて,小さい施設ながらその門出は力強い激励に満ちたものであった。そして6年後には独立した建物を,12年後に病院管理研修所と成長し,全国病院から多くの病院幹部が研修に訪れ,この6月では8,500人の人びとを教えるに至った。
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