医学の話題
年寄り子—母親の年令が,生まれる子の素質にどう影響するか
杉 靖三郞
1
1教育大
pp.34-35
発行日 1953年5月1日
Published Date 1953/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200348
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傷をしたりしたとき,小供は治りが速いが,大人だと治りがおそく,年寄りではなかなかなおらないことは誰でも知つているだろう。
この傷の治り方が,年令とどのような関係があるか,ということについて,フランスのヂュノユイ(du Nouy)という生理学者は,ハツカネズミに,一定の大きさの傷をつけて,その傷がふさがるまでの時間を,測定してみた。この際,ハツカネズミが若いほど傷の治る時間は短かく,年をとるに従つて時間は延びる。この関係は非常に規則正しいもので,その傷の治るまでの時間によつて年令がはつきりとわかるのである。
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