症例研究
外出血を缺く子宮外妊娠
鈴木 辰夫
1
,
田中 睦
1
1福島縣立女子醫學專門學校産婦人科教室
pp.78-79
発行日 1950年2月10日
Published Date 1950/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200319
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子宮外妊娠は之と鑑別を要する疾患とその治療が對蹠的であるため,その誤診は吾々婦人醫に思わざる苦杯をなめさせる.しかも本症の診斷は必ずしも容易ではなく,臨床家にとつて子宮外妊娠の診斷はまことに興味深いものがある.子宮外妊娠も,月經閉止,激烈な一過性下腹痛及び外出血等典型的症状があれば容易に診斷されるが,この内の何れかを缺くときは,時々疑診さえも困難となる.殊に主症状である外出血のない場合に於て然りである.野口によれば,外出血を缺く子宮外妊娠は9.63%に存在するから,診斷の適中率を高めんとすれば,この方面の檢討が一層必要となる.
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