講座
精神衞生—社會人間關係とその治療
土井 正德
1
1最高裁判所
pp.61-64
発行日 1951年5月10日
Published Date 1951/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200087
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始めは不平をならべたてても,慣れてしまうと厭でたまらなかつたサナトリウムもなつかしい。自宅に婦つて身體は家族の中にいても,心はもとの病室の中にいるのに驚かされる。
同じ退院したもの同志が集つては,幽靈が集つて燒かれた自分たちの骸を追憶しあうように,そのころの噂話にふけるものである。もっともこの中の1人が間近にせまつた結婚にばかり關心をもつようになると,ほかの人達の氣持もわかつてきたが……。人間の心はつい身體の關係--生活に支配されるものである。
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