ブツク・レビュー
—土谷 勉著—「昔の癩のこぼればなし」
pp.15
発行日 1951年2月10日
Published Date 1951/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200030
- 有料閲覧
- 文献概要
癩こ關する本は今迄に色々出ているが,この書物は,著者土谷勉氏が療養所で病を養う人であつて,その20年にわたる生活の間に癩に關する多くの文献を集め整理して出來たものである點が在來の本と異る。
著者がこの本の扉に述べている樣に病氣を考えると辛くて生きて居られなかつたので働くのと讀書するのが唯一無二の救いだつた。働いて汗を流せば病苦を忘れたし讀書すれば充分その三味境にひた事るが出來た……」の如く無我の境地を求めて遮二無二讀書の境地に突進んでいつた状態が目に見える樣である。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.