SCOPE
ロバのパン屋さんをおぼえていますか—障害者が街で暮らせる拠点づくりを目指して長崎県諌早市にオープン
林田
1
1本誌編集室
pp.228-229
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923189
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昨年,本誌52巻4号でハンディを持つ人とかかわり続ける長崎県諌早在住の工業デザイナー,光野有次さんに登場してもらった「寝た子を起こすプロジェクト」の仕掛人としてご記憶の方もおられるかも知れないその光野さんか『生きるための道具づくり』という著書を9月に出版.本の終章に「ロバのパン屋さんをつくろうよ」という章かある障害者力健常者にまじって一緒に街で働き,暮らすことを提唱・実践している光野さんか,障害児の親やボランティアの人たちと進めていたプランの1つで,ロバが馬車を引いて回る,昔懐かしいロバのパン屋さんをみんなでやろうという提案だ.
早速長崎県内でロバのいる動物園を仲間か探し,佐世保まで関係者一同,しかも家族連れでにぎやかに“ロバ・ツアー”に出かける話などは,面白がりの精神を大事にする光野さんの面目躍如といったところ.ただ,実際にロバを飼ってパンの街売りをするのはもうちょっと先になる.その前に母体となるパンをつくるお店を開店し,軌道に乗せなければならないからだ.
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