グラフ
リハビリ病棟には病人はいない—伊豆逓信病院のリハビリテーション看護
岩下 守
,
土館ヤフ
,
本誌編集室
pp.1096-1101
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922860
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リハビリテーションとは,失われた部分に目を向けるのではなく,残された機能をどれだけフル活動させ,日常生活を支障なく送り,社会復帰していくことだと言われている.
しかし,脳卒中や交通事故などの後遺症で手や足が麻痺したりした時,その手足は失ったものとして完全に忘れてしまうことは難しい.片麻痺患者にいくら利き手交換の指導をしても,いつまでも,なんとかならないものかと悩んでいる.そして麻痺が完全には治らないという事実を知った時,一時は元気になったと思えるような人でも大きく落ち込む.そんなときは,そっとして見守ることしかできない.患者の心の底にはいつも,‘こんなになっちゃった’という思いがあるのである.そして時間をかけて患者自身が納得できるように待つしかない.
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