特集 精神病者と入院・1—精神科諸施設の存在と意味
一事例を通して精神科看護を考える—地域で支えることの意味—東京都立墨東病院北二病棟看護研究グループ
熊倉 茂子
,
山本 浩子
,
石川 栄子
,
石川 操子
,
笠原 美子
,
甲川 初美
,
小谷 英鶴子
,
佐藤 フミ
,
篠塚 光子
,
嶋村 房子
,
中村 美保子
,
藤原 けい子
,
堀江 房子
,
宮崎 セツ子
,
柳本 菊江
,
青木 末子
,
安斉 いずみ
pp.915-926
発行日 1980年9月1日
Published Date 1980/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922683
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はじめに
東京都の精神病院の多くは,都心からかなり離れた三多摩地区に集中している.特に,都立墨東病院のある城東地区は,精神病床は極めてわずかであり,ここで発症した者の多くは,遠い三多摩地区の病院に入院せざるをえない状況である.
1978(昭和53)年11月16日,都立墨東病院に初めて精神科病棟が開棟,同時に精神科救急事業もスタートしたが,この精神病床過疎地には,まさに‘焼け石に水’と言えるわずか28床,しかも都立総合病院では,初めての精神科病棟であり,看護スタッフのほとんどは精神科の未経験者であった.こうしたいくつもの制約はあったが,私たちはできる限り地域の人は地域で支えることを原則として,試行錯誤を繰り返しながら歩んできた.
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