学生の眼
機能回復への援助をとおして学んだこと—術後の右半身不全麻痺患者I氏とかかわって
岩崎 信子
1
1国立療養所神奈川病院付属看護学校
pp.398-403
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922667
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はじめに
私は今回の実習で,右半身不全麻痺の54歳になる男性(I氏)のリハビリテーション援助を行った.この麻痺はACバイパス手術後に現れたものであり,手術後の創部の治癒経過が著しくなく,リハリビテーションも遅れていた.
受け持った時点では創部の持続吸引と点滴を施行しており,ベッド上起座はもちろん,右上下肢の各関節の自動的屈曲・伸展も不可能で,寝返りさえも介助なしではうてない状態だった.患者自身にも機能回復に対する意欲がみられず,何事も周囲に対して依存的であった.しかし,3週間にわたって機能回復への援助をしていくなかで,最終的には,手すりにつかまっての6-7mの歩行が可能という思わぬ結果が得られた.その間の看護計画とその実践を通して患者の反応がどのように変化していったか,またどのようなケアに効果があったかを振り返りながら,看護者として機能回復への援助という役割をどう受け止めるべきか,ということを学んだ.
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