ベッドサイドの看護
高齢肺癌患者の一時退院を目指して
安部 千鶴
1
1鳥取大学医学部付属看護学校
pp.380-383
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922642
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はじめに
悪性新生物の中で,肺癌は年々増加の一途をたどり,その急増ぶりは憂慮されている現状である1).現代の医療では,根治的療法が期待できにくいといわれている肺癌は,初期の状態であればともかく,一般状態不良である場合の大半の患者は,入院して,そのまま病院で死の転帰をとるケースが多い.当患者の場合は余命2か月と家族に宣告されたが,当人が自分の病名として思い込んでいた慢性気管支炎を,そのまま信じさせ,患者および家族の希望する一時退院へ向けてできる援助を,患者と家族のかかわり合いの中で試みたので,ここに報告する.
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