病院と統計 病院労働統計・3
賞与一時金
宮沢 源治
1
1東京病院協会
pp.10-11
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205565
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賞与一時金の推移
賞与一時金の年次推移をみると,対前年同期比は,図1のように夏季の場合,昭和45年18.0%,46年15.2%,47年19.4%,48年21.4%,49年41.2%と毎年上昇傾向をたどっている.46年までは春のベースアップ率を若干下回っていたが,47年以降はベースアップ率を上回る傾向を示している.特に49年賞与一時金は,ベースアップ率32.9%に対し,夏季は41.2%,年末は36.4%と大幅にこれを上回っている.もともと賞与一時金は,物価と企業の支払能力を敏感に反映する性格をもっている.
賞与一時金の性格については,慣習的賞与説,功績報償説,収益分配説,賃金後払い説等の定義が行われているが,賞与一時金が医業収益に対し8-11%も占めており,労働者所得の4分の1にもあたる所得源であることから見ると,賞与一時金は,経営にとっては人件費としての経常的な原価要素であり,労働者にとっては生計費を補う臨時給与として重要な収入源となっている.いずれにしろ賞与一時金は,賃金としての性格を強める傾向を示している.
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