加齢と婦人科疾患・10
更年期・老年期(2)—疾患
鈴木 秋悦
1
1慶応義塾大学医学部・産婦人科学教室
pp.189-192
発行日 1976年2月1日
Published Date 1976/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922561
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
性成熟期から更年期・老年期に入ると,この時期に特徴的な種々の疾患が現れてくる.その主なものとしては,性器の老化に伴って現れてくる疾患,その中には卵巣機能の低下による女性ホルモンの減少に起因する老人性腟炎とか,子宮脱のような骨盤内結合織の萎縮か原因となって出現してくる性器の位置異常など,いわゆる器質的なものと,更年期障害という言葉で代表され,自律神経失調症状を主とする機能的疾患とがあげられる.
もちろん,このほか子宮癌・外陰癌・卵巣癌などの悪性腫瘍あるいは卵巣のう腫などの良性腫瘍の頻度も低くはない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.