研究と報告
腹臥位安静時における顔面固定器具の考案—網膜・硝子体手術患者の安楽のために
床井 雪江
1
1原眼科病院病棟
pp.893-897
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922085
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網膜・硝子体手術で,手術後に眼球後極部の網膜を一定期間,眼球後壁に圧迫,接触させる必要が生じる場合がある.その場合,硝子体中に空気,またはSF6(六フッ化硫黄)等の気体を注入することが多い.これらの気体は,硝子体液より軽いので,後極部を圧迫させるためには腹臥位を保つ必要がある.しかし,術後直ちに1晩,またはそれ以上持続して腹臥位を続けるのは,患者にとって容易なことではない.腹臥位中,知らず知らずのうちに眼球を圧迫し続けて,失明した例も報告されている1).
これらの事故を防ぐため,各々の診療所でいろいろな工夫がされている.その1つとして,装用状態の快適さ,器具作成の容易さ等の点から野球のキャッチャーマスクを応用する方法が既に報告されている2),3).
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