特集 先輩に聞く—看護の「こころ」と「わざ」
永遠の旅立ちを見送り続けて—聖母病院教育婦長・寺本松野さん
新鞍 真理子
1
1東京キリスト教病院内科病棟
pp.27-34
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921893
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「看護が大好きです.もともと人が好きなんでしょうね」と話される寺本松野さんの目は輝いている.結核患者の死に出会うことから始まり現在に至るまで,看護の中で死を看とり続けてこられた.
「50年間,看護をしてきましたが,死の様相は変わっても『人が死ぬ』ということには,何の変わりもない」と話される.ひたすら,患者さんの死をみつめ,死に向かって生きている患者さんを看護してこられた.寺本さんが行なっている看護の中には〈確かに人が生きている〉という感じがする.寺本さんも患者さんもごく自然に自分自身であり続けられる関係,つまり,お互いが主体的なかかわり合いをする中で,お互いの人生として出会えている,そんな印象を受ける.
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