特集 先輩に聞く—看護の「こころ」と「わざ」
“自然流”訪問看護で地域に深く根をおろす—青森県南郷村訪問看護婦・山崎トシさん
松沼 瑠美子
1
1在宅看護研究センター
pp.35-42
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921894
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高鳴る胸を抑えて青森へ
“私の看護は自然流,私は季節の配達人”と自らの看護をステキに語る保健婦さんがいらっしゃると聞いた.山崎トシさん.保健婦歴34年,退職後訪問看護に専念されて4年目という大ベテランである.在宅看護の道を選び,訪問看護活動を始めてまだ1年半の私に,驚きと感動とそして看護を考えるヒントを与えてくれた大きく,やさしい言葉であった.
私の看護は世の中に通用するものだろうか,今日の訪問中に専門家としての能力は発揮できただろうか,そもそも訪問看護婦の役割とは何だろう—不肖,在宅看護のプロを目指している私が頭と心を悩まし続けている問題である.そんな時に山崎さんの看護にふれ,目の覚める思いがした.「肩の力を抜いて,そこに住んでいる人をよく見つめなさい」と言われたような気がしたのだった.
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